騎手ってどんな仕事?激務とその仕組みを知る
競馬をご存知の方なら、騎手という職業について少なからずご存知かと思います。しかし、中には「騎手の仕事ってどんなものなのか」「どれくらい大変なのか」「有名な騎手はどんな人なのか」など、もっと詳しく知りたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、騎手として働くとはどういうことなのか、詳しく解説していきます。また、有名な騎手の紹介や、騎手を目指す方への情報提供なども行います。
さらに、騎手の年収や1試合あたりの給料など、お金に関する情報も掲載します。競馬ファンの方も、初心者の方も、ぜひご一読ください。
騎手の業務内容とは?
騎手の業務は、ただ馬に乗るだけではありません。騎手として成功するためには、馬の乗り方やコントロール、レースの読み方、戦略やレースの進め方、レース環境の把握など、さまざまなスキルに長けている必要があります。
そのためには、心身ともに健康であること、馬の心理を理解すること、競馬のルールや規則を熟知していることが必要である。
そのためには、バランス感覚、敏捷性、強い下半身、そしてプレッシャーに負けない精神力が必要です。
平日の場合
平日の一例を紹介していきます。
4時50分
寮を出て馬の調教の為に厩舎に向かいます。
調教の為に準備を厩舎スタッフと共に手伝い調教内容や出走レースについて等話します。
また季節にもよって会場時間を変えています。
こういった準備がある為2時間前には厩舎にはよりますが集合します。
6時10分
まずは騎乗し厩舎の周りを周回(乗り運動)します。
つまりウォーミングアップです。
6時30分
準備運動が終わると調教師が調教コースや内容の指示をするので出発します。
7時00分
馬場の会場
7時30分
指示通りに調教するとクールダウンしながら厩舎に戻ります。
ここで厩舎スタッフに旨を引き継ぎ、また別の馬に騎乗し調教コースに向かいます。
7時50分
2頭目に乗りまた指示通りの場所を使用し調教します。
8時30分
2頭目が終えると今度は厩舎まで戻らずに調教スタッフに引き継ぎます。
8時35分
調教スタンドにあるスタンドに向かい朝食を摂りつつ取材対応等をします。
9時20分
続いて3頭目の調教を開始します。
ここで他の厩舎から依頼された馬の調教等を行います。
10時00分
3頭目の調教を終えると厩舎スタッフに引継ぎ調教師に報告します。
10時50分
所属厩舎へ戻りレース出走の為の手続き(出馬投票)の準備をし出馬投票室という所へ向かいます。
11時00分
出馬投票が終わると独身寮に戻ります。
ここで昼食含めて2時間~3時間ほどの休憩時間になります。
15時00分
出馬投票が締め切られ週末の出馬表が発表されます。
出馬表には競馬場毎にレース番号、馬番号、馬名および騎手名等が記載されています。
15時10分
(勝負服)いわゆる騎乗する時の服を決めます。
15時20分
所属厩舎以外の勝負服を騎乗予定の厩舎で受け取りレースの打ち合わせを行います。
16時30分
寮に戻り本日の仕事は終了です。
休日編
2時45分
競走馬の調教に向かいます。
3時00分
所属厩舎に行くと平日同様厩舎スタッフを手伝い調教の準備を行います。
準備運動なども平日同様行います。
4時45分
調教を終え厩舎にもどります。調整ルームに戻り騎乗予定競馬場への出発の準備を行います。
5時00分
JRAが用意したタクシーに他機種2名と同乗し競馬場へと向かいます。
自身の車での移動も可能ですがJRA負担でタクシーは用意してくれます。
6時00分
競馬場調整ルームに到着。
第一レースの発送時刻の約4時間前です。
ジョッキールームに行き朝食や仮眠をし休憩します。
9時00分
騎手は負担重量が定められています。
その為にレース前(前検量)とレース後(後検量)にJRA職員による検量を受けます。
大体前検量は第1競走の発送70分前から騎乗する競争の50分前までに受けます。
9時05分
検量を終えると番号ゼッケンを渡され鞍の装備等を整えます。
完了したら検量室に運びJRA職員による鞍検量を受けます。
検量を受けると馬房で装備します。
9時50分
パドック機種控え室に行き体重計に乗り合図があるまで待機しながらパドックを周回している騎乗馬の状態を確認したり打ち合わせを行います。
レースの20分前になると騎乗合図がかかります。
騎手は機種控室に整列しお客様に一例してから馬に騎乗します。
9時55分
誘導馬を先頭に馬場へと向かいます。
馬場に入場すると準備運動の(返し馬)をしながら騎乗馬の走りを確認しコース脇の待避所に向かい
発送地点から集合合図があるまで待避所内でゆっくり周回し待機します。
10時10分
レース
10時15分
レースが終わると騎乗したまま検量室前まで戻り鞍等を外すと一位~七位までの機種は負担重量の確認の為検量室で後検量をうけます。
実はこの後検量が終わって初めて順位が確定するのでレースでの着順はすぐに発表されません。
10時18分
レースが確定すると優勝馬の馬主や関係者はウィナーズサイクルに集まり表彰式を行います。
表彰式が終わると写真撮影を行います。
10時20分
報道関係者へのコメントの提供を行います。
10時25分
地下馬道で次のレースの馬に騎乗
ちなみに騎手は一日の騎乗回数に制限はありません。
11時40分
レースの空き時間が空くとその間にストレッチ等をして次の騎乗に備えます。
16時30分
最終レースが終了すると土曜日の場合は金曜日同様翌日のレース騎乗の為に騎乗予定競馬場もしくはトレーニングセンターの調整ルームに入室する必要がります。
騎手の厳しい労働条件、試験、適性は?
騎手も厳しい審査を受けなければ、採用されることはありません。検査内容は、身体検査、薬物検査、場合によっては精神鑑定などです。
さらに、レースに出場するためには、騎手はレーシングライセンスを取得する必要があります。このライセンスは、騎手が年齢を満たしていること、必要な医療検査を終えていること、競技に適していること、各機関の規制や基準をクリアしていることを証明するものである。
流れとしては
競馬学校入学
⇩
競馬学校で学ぶ(3年間)
⇩
騎手免許試験に合格
⇩
競馬学校卒業プロ騎手
また競馬学校に入学するには
願書提出し一次試験、二次試験に通る必要があります。
募集対象は毎年3月時点で小学6年生または中学1年生である事です。
著名な騎手とその特徴
歴史上、有名な騎手はたくさんいますが、最も有名なのはアメリカのウィリー・シューメーカー騎手でしょう。シューメーカーは1950年にキャリアをスタートさせ、史上最も偉大なジョッキーの一人として広く知られている。
その腕前と決断力で8,800勝以上を挙げ、生涯獲得賞金は4,000万ドルを突破した。
また、ケンタッキーダービーを7度制覇し、9,400勝以上を挙げたパット・デイや、11,800勝以上を挙げたクリス・マッカロンも有名な騎手である。
これらの騎手たちの活躍を見ると、圧倒的な技術、決断力、そして勝利への強い意志が、騎手として成功するための重要な要素であることがわかる。
- ルメール: クリストフ・ルメールはフランス出身の騎手であり、日本で非常に成功したキャリアを築いています。彼は正確なタイミングと冷静な判断力で知られ、多くの重賞レースで優れた成績を収めています。
- ミルコ・デムーロ: ミルコ・デムーロはイタリア出身の騎手で、日本競馬界でも非常に成功したジョッキーです。彼は繊細なタッチと優れたハンドリング能力を持ち、幅広い競走条件で勝利を収めています。
- 福永祐一: 福永祐一は日本のトップジョッキーの一人であり、幅広い経験と安定した騎乗スタイルで知られています。彼はクラシックレースや重賞競走で数多くの勝利を挙げており、特にスタミナ競走での能力が高く評価されています。
- 北村宏司: 北村宏司は若手ジョッキーとして注目されており、素早い判断力と冴えた騎乗技術を持っています。彼はスプリント競走やターフ競走で活躍し、将来の日本競馬界を担う存在として期待されています。
これらのジョッキーたちは日本競馬界で活躍し、多くのファンに愛されています。彼らの騎乗はレースにスリルと興奮をもたらし、競馬ファンにとって欠かせない存在です。
騎手の年収・給料について知る
騎手の給料は、活躍の度合いや出場するレースの量など、さまざまな要因によって左右されます。一般的に、騎手の給料は、年間2万ドルから10万ドルです。
騎手の給料は、騎乗する馬の成功度合いにも大きく左右されます。
騎手は賞金総額の10%から40%を稼ぐことができます。
将来への期待も大きい騎手
長時間労働や強いプレッシャーにさらされることが多い騎手ですが、それでも憧れの職業であることに変わりはありません。
騎手として成功するためには、技術、決断力、勇気が必要ですが、その分、見返りもあります。ジョッキーになりたい人は、多くの騎手からインスピレーションを得ることができます。
これらの騎手は様々なバックグラウンドを持っていますが、彼らは皆、競馬の世界で優れた業績を残しています。
おわりに
このように、騎手という仕事は、激しい努力と技術を必要とする厳しい仕事であることがわかります。早朝の練習から厳しい試験まで、騎手は常に自分の肉体的、精神的能力を試されています。
そして、肉体的にも精神的にも大変な仕事ですが、その分、多くの報酬を得ることができます。 今回は、騎手が担う多くの業務、厳しい労働条件と適性、歴史上の有名騎手、予想年収、そして騎手候補を鼓舞する騎手の方々についてご紹介しました。
この記事が参考になり、騎手という職業について理解を深める一助になれば幸いです。
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