競馬初心者にとってレースのクラス分けや賞金、馬の重量、ルールなどは理解するのが重要です。この記事では、初心者でも分かりやすく説明します。レースクラスの意味や階級、賞金の分配方法、馬の重量制度、そして競馬の基本ルールについて解説します。競馬の世界をより深く理解し、楽しみながら賭けるための基礎知識を身につけましょう。
レーククラス分けとは?
レースのクラスは上位から【GⅠ/GⅡ/GⅢ/リステッド/オープン特別/3勝クラス/2勝クラス/1勝クラス/新馬/未勝利】までの10種類のレースがあります。
馬の年齢と収得賞金の額によってクラスは分けられており、基本的には一勝する毎に上のクラスヘステップアップする仕組となっています。
また、重賞レースの2着でも昇級することがあります。
2019年夏季競馬からの降級制度廃止と同じタイミングで競走条件の呼称が変更(例えば1600万円以下➡3勝クラス)となりました。
GⅠホースの称号を得られるのは一握りの選ばれし馬
クラスと収得賞金額
1勝クラス…500万円以下
2勝クラス…501万円から1000万円
3勝クラス…1001万円から1600万円
オープン…1600万円超
通常、競走馬というのは2歳から3歳にかけての新馬でデビューします。
新馬つまりメイクデビューを勝利すれば次のクラスに進み、勝てなかった馬は、未勝利で戦うという形です。
勝ち上がった馬は、1勝クラスに進み、勝つ毎に2勝クラス、3勝クラスとどんどんステップアップしていきます。
また2歳戦の始めのうちは新馬とオープンしか組まれません。
その後、勝ち上がった馬の増加につれてクラスを細分化していきます。
2歳の9月頃から1勝クラスに分けられ、さらに年上の馬と一緒にレースを行う「3歳以上」という条件のレースから2勝クラスと分けられていきます。
条件クラスを卒業した馬はオープン入りし、オープン特別、リステッド、GⅢ、GⅡ、GⅠと上がっていきます。
GⅠレースはオープンの頂点で競走馬の最大の目標にもなっています。
最終的にGⅠレースに出走できる競走馬はごくごく少数となり、年間約7,000頭のサラブレッドが生産される中で、GⅠホースの称号を得られるのは、ほんの一握りなのです。
競争と収得賞金に算入する額
新馬・未勝利競争…400万円
1勝クラス…500万円
2勝クラス…600万円
3勝クラス…900万円
2歳GⅢ競争…1着1600万円/2着600万円
地方および外国のレース
賞金1200万円以上のとき…賞金の半額
400万円以上1200万円未満のとき…一律400万円
400万円未満のとき…そのままの額
本賞金480万円以上の時…本賞金の半額
160万円以上480万円未満の時・・・一律160万円
160万円未満の時…そのままの額
負担重量によるレースの種類
レースでは、出走馬は決められた負担重量で出走しなければなりません。レースによって負担重量は次のように決められています。
馬齢重量
牡
2歳(9月まで)…55キログラム
2歳(10月から12月まで)…56キログラム
3歳(9月まで)…56キログラム
3歳(10月から12月まで)…57キログラム
牝
2歳(9月まで)…55キログラム
2歳(10月から12月まで)…55キログラム
3歳(9月まで)…54キログラム
3歳(10月から12月まで)…55キログラム
※レースによっては負担重量を決定する基準が設けられているレースもあります。
ハンデキャップ
出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、各出走馬に勝つチャンスを与えるよう決められた重量を負担させるレースです。JRAのハンデキャップ作成委員が、各々の負担重量を決定します。
レースの確定
レースの確定
レースが終了すると、着順掲示板に到達順位が表示され確定ランプが点灯するとレースが確定となります。そして払戻金が発表されます。
また、5位までに入線した競馬馬の着順に変更の可能性がある場合は審議ランプが点灯します。
レース中の競走監視をはじめとして、さまざまな場所で公正確保のため厳しいチェックがなされています。
払戻の見方
レース終了後、着順が確定して払戻の発表になります。
払戻は100円の馬券を購入した場合に払戻される金額で表示されます。
また、審議の結果、着順が変更になる場合もありますので、絶対に馬券は勝馬が確定するまで捨てないようにしましょう!
降着・失格
2013年から降着・失格のルールが変わりました。
「降着」や「失格」となった場合には、レースの確定後、パトロールビデオを場内テレビなどで放映するとともに、ホームページの「裁決レポート」でお知らせします。
降着入線した馬について、本来走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していたと判断された場合、加害馬は被害馬の後ろに降着扱い。また極めて悪質で危険な行為によって、重大な支障を生じさせたと判断された場合、加害馬は失格となります。
着順確定後の失格と不服申し立て(アピール制度)
競走の翌日から5年以内に
(1)禁止薬物等使用
(2)馬の全能力の不発揮
(3)不正協定実行
を認めた場合は事後失格となります。
失格・降着、失格・降着の裁決の申立ての棄却、事後失格の裁定について、当該馬の馬主、調教師、騎手の不服申し立てが認められています。
また重要なポイントとしては競走成績上の着順の変更があっても、払戻に関する勝馬の変更はありません。
その他
正しい発走等
発走は発馬機を使用して行っており、前扉の開閉がその合図となります。正しい発走の後、ゴールに到達しない馬は競走中止となります。
また発走委員が正しい発走でないと認めたとき(例:発馬機の誤作動・フライング発走・外的要因による支障等)は発走のやり直しを行いますが、それ以外の場合は、発走のやり直しは行いません。
なお場合によっては馬は外枠から発走させることがあります。落鉄した場合は再装着を行いますが、馬の興奮等により再装着が不可能な場合は蹄鉄をつけないで出走させる場合もあります。
競走の不成立
以下の場合は不成立となり勝馬投票券は返還となります。
1.災害や投石等の妨害行為その他の事由により、競走または開催執務委員の職務の執行に重大な支障があったとき。
2.競走が所定の走路と異なる走路で行われたとき。
降着・失格のルールについて
競走中に斜行・押圧等により他馬の走行を妨害したケースで、裁決委員が以下の通り判断した場合、降着又は失格となります。
降着
裁決委員が、加害馬の違反行為で被害馬が走行妨害されたと認める事かつその妨害行為がなければ被害馬が加害馬より先に入線していたと判断になった場合は、加害馬は被害馬の後ろの着順に降着となります。
なお、審議においては、着差だけでなく、被害の程度や起こった場所、加害馬・被害馬の走行状況などの要素を総合的に判断し、降着するかどうかを決定しています。
失格
悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせたと判断した場合、加害馬は失格となります。
審議ランプの点灯について
5位までに入線した馬について、着順変更の可能性がある場合には審議ランプが点灯します。
着順変更の可能性がある場合とは?
当該競走の出走馬の関係者から、降着・失格の裁決を求める申立てがあった場合や競走不成立となる可能性がある場合、委員が必要と認めた場合等に審議ランプが点灯します。
競馬についてのQ&A
Q:「走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断する場合とは?
A:加害馬・被害馬の着順、着差の他、事象の前後における両馬の走行状況等を総合的に判断しています。
Q:走行妨害であっても降着とはならないケースがありますか?
A:走行妨害であっても降着になるケースと、ならないケースがあります。
また、走行妨害の被害馬が落馬・競走を中止した場合でも必ず失格になるわけではありません。
しかし、加害馬の騎手に対しては違反行為及び被害馬の被害の程度に応じて厳正に処分が行われます。つまり、着順を変更するかどうかと、違反行為を犯した騎手に対する判断は別々という事です。
Q:走行妨害と関係のない馬との着順は判断のポイントになるのですか?
A:裁決委員は、加害馬と被害馬の関係だけで降着とするかどうかを判断しますので、他の馬との関係は判断のポイントにはなりません。
Q:走行妨害があっても着順が変わらないは問題では?
A:加害馬の騎手に対しては違反行為及び被害馬の被害の程度に応じて処分を判断します。したがって、着順が変わらなくても騎乗停止などのペナルティーを科すことがあります。これによりラフプレーを防止し、公正で安全なレースを維持していきます。
Q:海外や地方競馬はどのようなルールですか?
A:海外の競馬主要国のうち、イギリス・アイルランドや、香港・ドバイ・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・マカオなどアジアのほとんどの国において、同様のルールが採用されています。また、地方競馬も同じルールを採用しております。
Q:審議ランプの点灯をなぜ限定するのですか?
A:審議ランプは、5位までに入線した馬に着順変更の可能性がある場合にお客様が勝馬投票券捨てないように注意してもらうために点灯するものです。
したがって、走行妨害であっても、着順を変更する可能性がないものや、加害馬が6位以下に入線した場合については原則として審議ランプは点灯しません。
Q:パトロールビデオはどのような場合に放映するのですか?
A:審議を行った場合や、走行妨害に該当する可能性のある場合特異事例についてはパトロールビデオを放映します。
Q:降着・失格のルールを変更した理由は?
A:競馬の国際化が進展しており降着・失格をはじめとした競走に関するルール全般について、国際的に統一されたルールの必要性が国際会議で議論されるようになりました。
JRAはこの国際会議にメンバーとして参画しており、海外の競馬主要国におけるルールを参考にしてJRAのルールについて検証を行なった結果、馬がレースで見せたパフォーマンスが尊重され、シンプルで分かりやすい現在のルールに2013年から変更となりました。
競馬初心者にとってレースのクラス分けや賞金、馬の重量、ルールなどは重要な要素です。この記事では、レースクラスの意味や階級、賞金の分配方法、馬の重量制度、そして競馬の基本ルールについて解説しました。これらの要素を理解することで、競馬の世界におけるレースの見方や賭け方をより正確に把握できるでしょう。競馬を楽しみながら賭けるためには、基礎知識を身につけることが重要です。初心者の方は、この記事を参考にして競馬の世界をより深く理解しましょう。
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